事業内容business

設計部門

3次元設計

国土交通省が国策として進めるCIM(情報通信技術と3次元モデルの導入・活用により土木事業全般の効率化・高度化を図る取り組み)に対応するため、私たちは3次元モデルを導入した設計に取り組んでいます。発注機関や地域住民の方々への説明を行う際に2次元モデルでは分かりにくかったことを俯瞰的な視点で見ることができるため、合意形成の場で使用するための3次元モデルや走行シミュレーション、フォトモンタージュ等を作成しています。
3次元モデルを作成することにより様々なメリットがあるため、さらなる技術力の向上や優秀な人材の育成などに力を入れ、今後ともこの取り組みを強化していきます。

橋梁

社会資本の老朽化対策や延命化に対応し、私たちは、補修・補強設計にも注力しています。
補修・補強設計は、事前に行われた構造物の点検結果をもとに、発注機関における仕様書に基づいて行っています。また、発注機関の要望に答えるべく、商社やメーカーと協力し新素材や新工法の提案も行っています。
加えて、今まで社会資本整備の主役であった新設橋の設計では、当社の技術力を維持することにより、補修補強業務への技術のフィードバックを行います。さらに、将来の橋梁技術者不足が想定されることから、業務を通じて若手への技術継承を行い、担い手の育成にも取り組んでいます。

橋梁新設設計1
河川を横断する既設橋の老朽化に伴う架替えを目的に、橋梁詳細設計(橋長L=54.5m, 幅員W=10.50m、2径間連結ポストテンション方式PCコンポ桁)を行いました。
橋梁新設設計2
広域農道整備事業の道路改良計画に伴い河川を横断することを目的に、橋梁詳細設計(橋長L=17.80m, 幅員W=9.20m、プレテンション方式単純PC床版橋)を行いました。

橋梁補強設計
既設橋の致命的な被害を防止することを目的に、橋脚補強や落橋防止システム等の耐震補強設計を行いました。

調査・点検

社会資本の老朽化が進行し社会資本整備の考え方が新設から維持へと大きく変化する中、私たちは、補修・補強業務の基礎調査として行われる調査・点検に注力しています。道路付属施設や橋梁等では近接目視を基本とすることから、従来どおりの点検車を利用して点検者の目で確認する調査を行っています。またUAV、MMS等の新技術を取り入れながら調査の幅を広げ、業務に対応しています。

橋梁点検
橋梁点検車等を使用して橋に近接し、橋の損傷状態を目視や打音により調査しました。損傷の状況を把握したうえで、損傷の原因や補修対策の必要性について診断しました。

災害関連

我が国は地理的条件、自然的条件から極めて災害を受けやすい状況にあります。近年、東日本大震災や集中豪雨による洪水など、想定を超える規模の災害が多発し、安心・安全への対策が求められています。私たちは生活の基盤である公共施設や農業用施設等を速やかに回復するために、迅速かつ適切な調査、復旧計画立案、設計を行い、被災地域の早期復旧に協力しています。

災害関連
平成23年に発生した東日本大震災において、切土斜面が崩壊したことにより現道が閉塞し通行止めとなった箇所に、今後の大規模崩壊への対策を目的に、崩壊部および既設コンクリート吹付箇所の上部に吹付枠工の設計を行いました。
通路設計
平成20年に発生した岩手宮城内陸地震の災害遺構として現存する、落橋した祭畤大橋へつづく見学通路の設計を行いました。

護岸設計
豪雨により被災した護岸等を復旧することを目的に、護岸ならびに農業用水取水施設の設計を行いました。

道路

道路は、国土・地域を形成する基盤となり生活や経済活動などに多様な役割を果たす重要な社会資本です。私たちは、幹線道路から生活道路まで様々な道路の整備や、歩道の設置、交差点改良、落石・斜面崩壊危険箇所の安全対策などの調査・計画・設計を通じて、社会経済の発展や地域の活性化、道路利用者の利便性・安全性の向上に貢献していきます。また、老朽化が進行する道路施設に対して、点検業務により被害防止や早期の施設補修による長寿命化を図り、道路網の安全性並びに信頼性を確保するための技術サービスを提供します。

道路設計
復興支援道路として整備が進む東北横断自動車道釜石秋田線(通称 釜石道)の遠野IC~宮守IC間において、道路詳細設計や道路横断施設の設計を行いました。
避難路設計
大津波警報等が発令された際にすみやかにかつ安全に避難することを目的に、既設急傾斜施設に緊急避難路の設計を行いました。

河川および砂防

近年、頻発している甚大な災害により、多くの生命や社会資本は多大な損害を受けています。河川・砂防施設は、国民の生命や財産に大きな影響を与える重要な施設であり、特に水・土砂は災害に与える影響が大きいため、災害防止・軽減等に対して適正な利用計画の上で安全な施設の設計計画を行います。また、砂防ダム施設等により河川の連続性が分断されて、水棲動植物の移動が困難となった施設等に水棲動植物の移動が可能な施設を計画し、自然環境豊かな河川計画を行います。

砂防設計1
土石流発生時に土石流中の巨礫や多量の土砂を捕捉し、下流への流出による大規模土砂災害を未然に防ぐことを目的に、鋼製スリットダムの設計を行いました。
砂防設計2
山腹崩壊および河岸浸食等にともなう有害土砂の流出を防ぐことを目的に、重力式コンクリートダムの設計を行いました。

都市計画

我が国では近年の少子高齢化に伴う人口減少や財政状況の逼迫などの多くの課題があり、将来の都市・地域のあり方を根本的に考え直し、それぞれの地域の実情にあった将来計画を検討する必要性が高まっています。私たちは、地域の経済や住民活動等の活性化につなげられるような地域の開発、公園・緑地計画を行い、街に活力が生まれるような空間づくりを提供します。また近年においては、企業のリスク分散、BCPの観点から、工場・企業の新設が盛んに行われています。工場・企業の造成計画、駐車場計画だけでなく、開発許可申請業務についても各監督官庁の認可条件を把握して的確な申請書を作成し、円滑な事業推進に貢献いたします。

グラウンド設計
一関緑地公園内に日本サッカー協会公認の人工芝を使用した屋外サッカーグラウンドの設計を行いました。
外構設計
新一関図書館における駐車場スペースの計画をメインとした外構の実施設計を行いました。

農業土木

農業農村整備事業は、国民の食料の安定供給、農業生産性の向上、農村地域の活性化、計画的な水資源の活用、農地防災、環境保全等の多岐にわたる事業であり、主として、ダム、頭首工、用排水路、農道、ため池等の設計計画を行っています。また、農業水利施設は食料の供給に寄与する社会の共通資本となっている施設であり、その多くの施設は劣化が進行しています。そのため、農業水利施設の機能を将来にわたって安定的に発揮させるために機能保全計画を策定し、施設の長寿命化を図る整備計画を行っています。

ため池設計
ほ場整備事業による用水不足の補償用水として、ため池ならびに取水工・洪水吐・土砂吐工を一体構造とした施設の設計を行いました。
函渠設計
農地整備事業(経営体育成型)において、河川に架設される構造物として施工性・経済性に優れるプレキャスト門形カルバートの設計を行いました。

森林土木

森林は木材を生産する機能のみではなく、土砂災害の防止、生物多様性の保全、水源の涵養など極めて多くの機能を有しています。近年では気候変動により降雨の状況が変化しており、台風の大型化、短時間強雨の多発などにより、斜面崩壊、渓岸侵食、土石流などの山地災害リスクが高まっているといわれています。それらを未然に防ぎ、森林のもつ公益的かつ多面的な機能を維持し、生活環境基盤の整備に資するため、私たちは治山施設や林道整備などの計画・設計を実施します。